悩みはどこからくるのか

悩みとは「答えのない質問」のことでした。答えがないので、いつまでも考えます。本来は脳の充電時間であるはずの家に居るときも、ご飯を食べているときも、お風呂に入っているときも、もしかして眠っているときも考えているかもしれません。

では、悩みはどこから来るのでしょうか?

それについては「悪意」のお話をしなければなりません。

あなたが「嫌だなー」と思うこと、そのすべてを「悪意」と呼ぶことにしましょう。

例えば一番わかりやすいのは、面と向かって悪口を言ってくる人です。直接悪意をぶつけてきます。ネットやSNSの悪意の書込も同じです。そのほかにも、陰口、いじわる、怒り、怒鳴り声、嫌な視線、嫌な場所、嫌な思い出など、あなたが嫌だと思うことはすべて、「あなたにとっての悪意」になります。

直接あなたにぶつけられる悪意だけでなく、誰かにぶつけられる間接的な悪意もあなたにとっての悪意になります。例えば、こどもにとっての夫婦喧嘩、親子喧嘩、他人の悪口、いじめを目撃するなども、あなたにとって悪意になります。

あなたに悪意がぶつけられると、その瞬間に脳に悩みが生じます。

 

悪意と学校、会社、家庭。

例えば、会社における言葉の乱暴な上司、いじわるな同僚や部下、社内いじめ、クレーマーの客などは一番わかりやすい悪意の見本です。

現代では、学校も実に大量の悪意が発生する場所となっています。特にいじめによる悪意は、SNSという格好の培地を得て日々増殖しています。生徒だけでなく先生や親まで関係するようになっています。

このような悪意にさらされた脳細胞を癒し、復元し、充電する機能を持った場所が「家」でした。

原始の頃から、家の外は戦いの場所でした。それに反して家は、安全と安心の象徴であり、癒しの場所でした。外界で脳のエネルギーを大量に消費したあとは、家に帰り食事・入浴・団らん・熟睡を通して脳のエネルギーを充電し、次の朝には気力にあふれた一日を開始するのが平穏な日常のパターンでありました。

現代は、この家の役割が崩壊していることが少なくありません。家の中にいじわる・喧嘩・叱責・脅迫などの悪意が渦巻いていることがあります。この場合、家に居ても脳のエネルギーを失うばかりか、回復の場所と時間がなくなってしまいます。

また、現代は睡眠も奪われがちです。テレビ、ゲーム、動画、SNSなど、睡眠時間を奪うものがたくさんあります。24時間営業の町は明るく輝いて誘惑してきます。残業、夜中のシフトなども睡眠時間を奪っていきます。

もし自分のエネルギーが何かの悪意によって消費されていると感じるならば、何が自分にとっての悪意になっているのかを自覚し、その悪意と距離を取ることが必要になります。