うつについて。(1)「脳細胞が疲れている人へ」

園芸投稿のおかげでブログの使い方がだいぶわかってきました。

「うつ」について、私が外来で患者さんにお話していることを少しずつ書いていこうと思います。

文章の右上の【「うつ」について】というタグを押すと読みやすくなります。

このお話を読む人は脳細胞が疲れている人が多いと思うので、簡単に短く書いていきます。

私はその昔、心臓外科医をやっていました。昔の心臓の手術はとても難しく、術後の患者さんはとても具合が悪くなりました。体中の細胞の一つ一つが調子悪くなってしまうのです。この具合の悪くなった状態を「炎症」の状態と言います。私はその炎症状態の患者さんが歩いて退院するまで、あの手この手を尽くしていました。それは炎症の治療そのものでした。

また、長野日赤の救急部長を10年以上務めていましたが、運ばれてくる精神科救急の患者さんを診て、「なぜこのような症状になるのか」がずっと不思議でした。

うつ病の原因はまだ仮説の状態です。セロトニンを中心とするモノアミン説が有名ですが、これも仮説の段階です。

私は、うつ状態の原因は脳細胞の炎症であるという学説を支持しています。脳細胞の使い過ぎで炎症が起き、それで具合が悪くなっているのでは、と仮説を立てて治療にあたっています。

炎症説はあくまでも仮説ですが、近い将来に証明されるであろう仮説だと思います。

このシリーズでは、「脳の炎症がどのような過程で起きるのか」、「どうやったらよくなるのか」の仮説をご説明する予定です。

普段20分ぐらいかかるお話を書いていきます。おそらくとても長くなります。具合が悪くても読めるようになるべく簡単にしようと思います。でも長い文章は脳に負担を書けます。読んでいてつらくなるようなら、迷わず休んでください。

次回は、(2)「脳のお仕事」です。