うつについて。(4)「悩み」は「答えのない質問」

普段の平穏な生活では、我々の脳はエネルギーの消費と回復を繰りかえします。

例えば、学校や会社でストレスを受けると脳内作文を盛んにおこなうので、脳はエネルギーを大量に消費し、疲れます。しかし家に帰れば、そこは安心・安全な場所であり、脳は休むことができます。そしておいしい食事・家族との会話・入浴でリラックスし、ぐっすり睡眠をとることで脳はエネルギーをためることができます。そして次の朝には頭はすっきりとし、一日を開始する意欲がわいてくるのです。

しかし「悩み」が脳に入ると、平穏な生活ができなくなります。

悩みとは、「答えのない質問」のことです。答えが無いので、ずーっと考えます。会社でも、学校でも、家でも考え続けてしまうのです。

「考える」とは、「脳の中で言葉をつないで文章をつくる」という事でした。これを「脳内作文」と呼ぶことにします。

つまり、脳に悩みが生じると、答えがないので脳内作文を続けます。これにより脳細胞、あるいはその集まりである脳はエネルギーを長時間消費します。そしてエネルギー回復の時間が少なくなり、脳のエネルギーは低下していくのです。

 

次回は、「(5)負のらせん階段」です。