あなたが「脳内作文製造会社」の社長で、脳細胞が社員だとします。

元気な時は、社長の「考えたい欲望」に従って脳社員たちはよく働いてくれます。ポジティブな言葉をチョイスしてつなげ、ポジティブな脳内作文をつくってくれます。

でも次第に脳社員たちは疲れてきます。しかし、社長であるあなたの「考えたい欲望」はとどまることをしりません。悩みが深まると、ますます欲望は大きくなっています。

脳社員たちはそれでもけなげにワッショイワッショイ言葉を選んできてはつなげます。つまり脳内作文を社長のために続けます。そしてもっと疲れていきます。

普通の社長さんはこのあたりでリミッターが働き、「考えるのちゅうしー」と命令し、散歩したり好きな事をやったりと気分転換して脳社員の福利厚生を図ります。そして元気になった脳社員にまた命令し、働いてもらいます。そしてポジティブな言葉をチョイスしてもらい、ポジティブな脳内作文へと戻るのです。

しかし、リミッターが働かずに欲望のままに「私が考えたいのだからもっと働け―」と命令する社長がいます。脳社員は社長の命令には背けません。会社でも学校でも家でも食事中でもお風呂の中でも、ひどくなると眠りながらでも働くようになってしまいます。24時間営業のブラック企業に似ていますね。

脳社員が働きすぎてガリガリにやせてしまっても、社長であるあなたの欲望は止まりません。けなげだった脳社員たちも、ついには投げやりな仕事をするようになります。ネガティブな言葉をチョイスしやすくなるのです。ネガティブな言葉をつないでいけば、出来上がる作文はネガティブ作文であり、またもや負のらせん階段を下りていく羽目になります。

ですので、社長であるあなたの欲望に気を付けてください。あなたの考えたい欲望には脳社員ははむかえません。かわいそうだと思ってください。

また、あなたが休むというより、「脳社員たちを休ませる」というイメージを持ってください。「まず休んで、そして元気になったらいい仕事してください」という優しい社長さんになりましょう。